交通事故

⑧ せき柱及びその他体幹骨の後遺障害

1 せき柱及びその他の体幹骨の後遺障害

せき柱及びその他の体幹骨の後遺障害には、次のものがあります。

(1) 障害等級表上の後遺障害

せき柱及びその他の体幹骨の後遺障害には、障害等級表上、次のものがあります。

ア せき柱の後遺障害

① 変形障害
② 運動障害

B その他の体幹骨の障害

① 変形障害

なお、せき柱のうち、頚椎(頚部)は主として頭部の支持機能を担っているのに対して、胸腰椎(胸腰部)は主として体幹の支持機能を担っており、主たる機能を異にしているので、障害等級の認定にあたっては、原則として頚椎と胸腰椎は異なる部位として取り扱い、それぞれの部位ごとに等級認定をするとされています。

(2) 障害等級表に記載のない後遺障害

代表的なものとして、次のものがあげられます

① せき柱の荷重機能の障害
② せき柱の中程度の変形障害

2 障害等級表上の後遺障害

(1) 障害等級表

せ き柱その他の体幹骨の障害等級表は、以下のとおりです。なお、表が崩れて見えにくい方は、こちらをご覧ください。→ せき柱及びその他の体幹骨の障害等級表

部位障害の系列等級障害の程度
せき柱の障害変形障害第6級5号せき柱に著しい変形を残すもの
第11級7号せき柱に変形を残すもの
運動障害第6級5号せき柱に著しい運動障害を残すもの
第8級2号せき柱に運動障害を残すもの
その他の体幹骨の障害変形障害第12級5号鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの

(2) 後遺障害の認定基準

ア せき柱の後遺障害

(ア) 変形障害
A 変形障害の認定方法

せき柱の変形障害のうち、「せき柱の著しい変形」(6級5号)と、「せき柱の中程度の変形」(8級相当)は、せき柱の後彎又は側彎の程度等により、認定するとされています。

なお、せき柱の後湾の程度は、せき椎圧迫骨折、脱臼などにより前方椎体高が減少した場合に、減少した前方椎体高と当該椎体の後方椎体高の高さを比較することで判定します。

また、せき柱の後湾は、コブ法による側彎度で判定します。

B 変形障害の障害等級の判断基準

せき柱の変形障害は、次の3段階で等級認定します。

Ⅰ 「せき柱に著しい変形を残すもの」(第6級5号)とは、エックス線写真、CT画像、MRI画像(以下、「エックス線写真等」といいます。)により、脊椎圧迫骨折等を確認することができる場合であって,次のいずれかに該当する場合をいいます。ⅰ 脊椎圧迫骨折等により2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎が生じているものⅱ 脊椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じるとともに、コブ法による側彎度50度以上となっているものⅡ 「せき柱に中程度の変形を残すもの」(第8級を準用)とは、エックス線写真等により、脊椎圧迫骨折等を確認することができる場合であって,次のいずれかに該当する場合をいいます。ⅰ 脊椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じているものⅱ コブ法による側彎度が50度以上であるものⅲ 環椎又は軸椎の変形・固定(環椎と軸椎との固定術が行われた場合を含む。)により次のいずれかに該当するもの。このうち、(ⅰ)及び(ⅱ)については、軸椎以下のせき柱を可動させずに(当該被災者にとって自然な肢位で)、回旋位又は屈曲・進展位の角度を測定する。(ⅰ) 60度以上の回旋位となっているもの(ⅱ) 50度以上の屈曲位又は60度以上の進展位となっているもの(ⅲ) 側屈位となっており、エックス線写真などにより、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの

※ なお、「せき柱の中程度の変形」障害は、障害等級表には記載されていませんが、「8級に準ずる障害として取り扱う」とされており、せき柱の変形障害の一つなので、この箇所に記載しました。

Ⅲ 「脊柱に変形を残すもの」(第11級7号)とは次のいずれかに該当するものをいいます。

ⅰ  せき椎圧迫骨折等を残しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの

ⅱ  せき椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかのせき椎に吸収されたものを除く。)

ⅲ  3個以上のせき椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの

(イ) 運動障害

エックス線写真等では、せき椎圧迫骨折等又はせき椎固定術が認められず、また、項背腰部軟部組織の器質的変化も認められず、単に、疼痛のために運動障害を残すものは、局部の神経症状として等級を認定すること。

Ⅰ 「せき柱に著しい運動障害を残すもの」(6級2号)とは、次のいずれかにより頸部及び胸腰部が強直したものをいいます。

ⅰ  頸椎及び胸腰椎のそれぞれにせき椎圧迫骨折等が存しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの

ⅱ  頸椎及び胸腰椎のそれぞれにせき椎固定術が行われたもの

ⅲ  項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの

Ⅱ 「せき柱に運動障害を残すもの」(第8級2号)とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

ⅰ 次のいずれかにより、頸部又は胸腰部の可動域が参考可動域角度の1/2以下に制限されたもの

(ⅰ) 頸椎又は胸腰椎にせき椎圧迫骨折等を残しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの

(ⅱ) 頸椎又は胸腰椎にせき椎固定術が行われたもの

(ⅲ)  項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの

ⅱ 頭蓋・上位頸椎間に著しい異常可動性が生じたもの

イ その他の体幹骨の変形障害

その他の体幹骨の変形障害とは、「鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨又は骨盤骨に著しい変形障害を残すもの」(第12級5号)が対象で、具体的には、裸体となったとき、変形(欠損を含む)が明らかにわかる程度のものをいうとされます。

したがって、その変形がエックス線写真によって、はじめて発見し得る程度のものは、これに該当しないしなおとされます。。

なお、ろく骨の変形は、その本数、程度、部位等に関係なく、ろく骨全体を一括して1つの障害として取り扱うこととし、ろく軟骨についても、ろく骨に準じて取り扱うとされます。

また、骨盤骨には、仙骨を含め、尾骨は除くものと取り扱うこと。

3 障害等級表に記載のない後遺障害

障害等級表に記載のない後遺障害の代表的なものとしては、せき柱の荷重機能の障害があります。

荷重機能の障害については、その原因が明らかに認められる場合であって、かつ、

ⅰ そのために頸部及び腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするもの

第6級相当とされます。

ⅱ 頸部又は腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするもの

第8級相当とされます。

なお、荷重機能の障害の原因が明らかに認められる場合とは、せき椎圧迫骨折・脱臼、せき柱を支える筋肉の麻痺又は項背腰部軟部組織の明らかな器質的変化が存し、それらがエックス線写真等により確認できる場合をいうものであることが必要とされます。

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すぎしま法律事務所 弁護士 杉島健二(岐阜県弁護士会所属)

当事務所は、交通事故の被害者側の損害賠償請求を最重点業務としています。これまで、多くの死亡事故や後遺症のある事故を解決してきました。担当してきた後遺症は、高次脳機能障害、遷延性意識障害(いわゆる「植物状態」)、CRPS、大動脈解離、脊柱や各関節の変形障害・運動障害、むち打ちなどの神経症状など、多種多様です。弁護士費用特約が使えます。

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