交通事故

⑩ 下肢(下肢及び足指)の後遺障害

1 下肢(下肢及び足指)の後遺障害の種類

下肢(下肢及び足指)の後遺障害には、次のものがあります。

(1) 障害等級表上の後遺障害

A 下肢の障害 - ① 欠損障害、② 機能障害、③ 変形障害、④ 短縮障害

B 足指の障害 - ① 欠損障害、② 機能障害

(2) 障害等級表に記載のない後遺障害

① 下肢の動揺関節

② 習慣性脱臼及び弾発ひざ

③ 足指を基部(足指の付け根)から失った場合

2 障害等級表上の後遺障害

(1) 障害等級表

下肢(下肢及び足指)の障害等級表は、次のとおりです。なお、表が崩れて見えにくい方は、こちらをご覧ください。→ 下肢(下肢及び足指)の障害等級表

部位系列序列程度
下肢             欠損障害 第1級5号両下肢をひざ関節以上で失ったもの
第2級4号両下肢を足関節以上で失ったもの
第4級5号1下肢をひざ関節以上で失ったもの
第4級7号両足をリスフラン関節以上で失ったもの
第5級5号1下肢を足関節以上で失ったもの
第7級8号1下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
機能障害 第1級6号両下肢の用を全廃したもの
第5級7号1下肢の用を全廃したもの
第6級7号1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
第8級7号1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
第10級11号1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
第12級7号1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
変形障害第7級10号1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
第8級9号1下肢に偽関節を残すもの
第12級8号長管骨に変形を残すもの
短縮障害第8級5号1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
第10級8号1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
第13級8号1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
足指欠損障害    第5級8号両足の足指の全部を失ったもの
第8級10号1足の足指の全部を失ったもの
第9級14号1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
第10級9号1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
第12級11号1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の足指を失ったもの
第13級9号1足の第3の足指以下の1または2の足指を失ったもの
機能障害       第7級11号両足の足指の全部の用を廃したもの
第9級15号1足の足指の全部の用を廃したもの
第11級9号1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
第12級12号1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
第13級10号1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
第14級8号1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの

(2) 後遺障害の認定基準

ア 下肢の後遺障害

(ア) 下肢の欠損障害

Ⅰ 「下肢をひざ関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

ⅰ  股関節において、寛骨と大腿骨を離断したもの

ⅱ  股関節とひざ関節との間において下肢を切断したもの

ⅲ  ひざ関節において、大腿骨と脛骨及び腓骨とを離断したもの

Ⅱ 「下肢を足関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

ⅰ  ひざ関節と足関節との間において切断したもの

ⅱ  足関節において、脛骨及び腓骨と距骨とを離断したもの

Ⅲ  「リスフラン関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

ⅰ  足根骨(踵骨、距骨、舟状骨、立方骨及び3個の楔状骨からなります。)において切断したもの

ⅱ  リスフラン関節において中足骨と足根骨とを離断したもの

(イ) 下肢の機能障害

Ⅰ  「下肢の用を全廃したもの」とは、3大関節(股関節、ひざ関節及び足関節)のすべてが強直したものをいいます。

なお、3大関節が強直したことに加え、足指全部が強直したものもこれに含まれます。

Ⅱ 「関節の用を廃したもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

ⅰ 関節が強直したもの

ⅱ  関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態(関節可動域が、原則として健側の関節可動域角度の10パーセント程度に制限されているものをいいます。以下に、同じです。)にあるもの

なお、「これに近い状態」とは、他動では稼働するものの、自動運動では関節の可動域が健側の可動域角度の10%程度以下になったものをいいます。

ⅲ  人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

Ⅲ 「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

ⅰ 関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

ⅱ  人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、上記「Ⅱ ⅲ」以外のもの

Ⅳ 「関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているものをいう。

(ウ) 変形障害

Ⅰ 「偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当し、常に硬性補装具を必要とするものをいいます。

ⅰ  大腿骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの

ⅱ  脛骨及び腓骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの

ⅲ  脛骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの

Ⅱ  「偽関節を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

ⅰ  大腿骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、上記「Ⅰ ⅰ」以外のもの

ⅱ  脛骨及び腓骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、上記「Ⅰ ⅲ」以外のもの

Ⅲ 下肢の「長管骨に変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。これらの変形が同一の長管骨に複数存する場合もこれに含まれます。

ⅰ  次のいずれかに該当する場合であって、外部から想見できる程度(15度以上屈曲して不正ゆ合したもの)以上のもの。

(ⅰ) 大腿骨に変形を残すもの

(ⅱ) 脛骨に変形を残すもの

なお、腓骨のみの変形であっても、その程度が著しい場合にはこれに該当する。

ⅱ  大腿骨若しくは脛骨の骨端部にゆ合不全を残すもの又は腓骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの

ⅲ  大腿骨又は脛骨の骨端部のほとんどを欠損したもの

ⅳ  大腿骨又は脛骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に減少したもの

ⅴ  大腿骨が外旋45度以上又は内旋30度以上回旋変形ゆ合しているもの

この場合、外旋45度以上又は内旋30度以上回旋変形ゆ合していることは、次のいずれにも該当することを確認することによって判定します。

(ⅰ)  外旋変形ゆ合にあっては股関節の内旋が0度を超えて可動できないこと、内旋変形ゆ合にあっては、股関節の外旋が15度を超えて可動できないこと

(ⅱ)  エックス線写真等により、明らかに大腿骨の回旋変形ゆ合が認められること

(エ) 短縮障害

「下肢の短縮」については、上前腸骨棘と下腿内果下端間の長さを健側の下肢と比較することによって等級を認定するとされています。。

イ 足指の障害

(ア)  欠損障害

「足指を失ったものとは、その全部を失ったもの」(障害等級表の備考第4号)とされており、具体的には、中足指節関節から失ったものがこれに該当するとされています。

(イ) 機能障害

「足指の用を廃したものとは、第1の足指は末節骨の半分以上、その他の足指は遠位指節間関節以上を失ったもの又は中足指節関節若しくは近位指節間関節(第1の足指にあっては指節間関節)に著しい運動障害を残すもの」(障害等級表の備考第5号)とされており、具体的には、次の場合がこれに該当するもとされています。

ⅰ  第1の足指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの

ⅱ  第1の足指以外の足指を中節骨若しくは基節骨を切断したもの又は遠位指節間関節若しくは近位指節間関節において離断したもの

ⅲ  中足指節関節又は近位指節間関節(第1の足指にあっては指節間関節)の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されるもの

3 障害等級表に記載のない後遺障害の認定基準

① 下肢の動揺関節

それが他動なものであると、自動的なものであるとに関わらず、次の基準によって等級を認定します。、

ⅰ 常に構成補装具を必要とするも

第8級に準ずる機能障害として取り扱います。

ⅱ 時々構成補装具を必要とするもの

第10級に準ずる機能障害として取り扱います。

ⅲ 重激な労働等の際以外には構成補装具を必要としないもの

第12級に準ずる機能障害として取り扱います。

② 習慣性脱臼及び弾発ひざ

第12級に準ずる関節の機能障害として取り扱います。

③ 足指を基部から失った場合は

「足指を失ったもの」に準じて取り扱います。

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すぎしま法律事務所 弁護士 杉島健二(岐阜県弁護士会所属)

当事務所は、交通事故の被害者側の損害賠償請求を最重点業務としています。これまで、多くの死亡事故や後遺症のある事故を解決してきました。担当してきた後遺症は、高次脳機能障害、遷延性意識障害(いわゆる「植物状態」)、CRPS、大動脈解離、脊柱や各関節の変形障害・運動障害、むち打ちなどの神経症状など、多種多様です。弁護士費用特約が使えます。

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