会社が、従業員の有給休暇を買い取ることは可能でしょうか?
会社としては、有給休暇の日も従業員が仕事をしてくれた方が都合がよいこともあるでしょうし、従業員から有給休暇の買取を依頼されたのであれば、これに応じても問題はないと考えられるかもしれません。
しかし、労働基準法で定められた有給休暇を会社が従業員から買い取ることは、原則として違法とされています。
なぜなら、有給休暇は、従業員が休暇を取ることにより、心身の疲労を回復し、継続して仕事ができるようにする点に制度趣旨があり、会社が有給休暇を買い取ることにより、従業員が休めなくなってしまったら、有給休暇の制度趣旨が害されてしまうからです。
たとえ、従業員からの依頼があったとしても、従業員が休めなくなることは同じですから、やはり有給休暇の買取は認められません。
ただし、例外が2つあります。それは、
① 会社が、労働基準法が与えるべきとされる日数分を超える有給休暇を与えていて、その有給休暇を買い取る場合
この場合は、労働基準法が与えた有給休暇を従業員が取得できないということにはならないので、有給休暇の趣旨に反しませんから、買取が可能です。
② 時効期間を経過した有給休暇の場合
有給休暇は、時効期間を経過すると取得することができません。ですから、時効により取得できない有給休暇を会社が買い取ることは可能です。
なお、有給休暇の買取が可能な場合でも、会社は必ずしも有給休暇を買い取る義務は原則としてありません。
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