交通事故

1-(4) 加害者の刑事裁判への対応

かつて日本の刑事裁判では、犯罪の被害者は、証人として尋問請求されない限り、自分が被害者である刑事裁判にも積極的に関与できませんでした。

しかし、現在では、被害者の権利救済の観点から、一定の限度ではありますが、刑事裁判に積極的に関与できるようになりました。

そして、交通事故の被害者にも、次のような権利が認められています。

1 被害者参加制度

交通事故の被害者が、積極的に刑事裁判に関与できる制度の代表的なものとしては、いわゆる被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33~39)が挙げられます。

すなわち、被害者参加制度とは,殺人、傷害、過失運転致死傷罪等の一定の刑事事件の被害者等が、裁判所の許可を得て,被害者参加人として刑事裁判に参加するという制度です。

具体的には、次の権利が付与されています。

(1) 公判期日への出席件(刑事訴訟法316条の34)

被害者参加人として、公判期日に出席し、法廷の中に入ることができます。

(2)  検察官に対して意見を述べる権利 刑事訴訟法316条の35)

被害者参加人は、検察官の権限行使、具体的には、検察官の訴因変更請求や証拠調べ請求、上訴権の行使などに関して意見を述べることができます。

(3)  証人尋問権(刑事訴訟法316条の36)

被害者参加人は、証人を尋問することができます。但し、尋問できる事項は、情状に関する事項に限られ、犯罪事実に関するものは尋問できません。

(4) 被告人質問権(刑事訴訟法316条の37)

被害者参加人は、被告人に対して質問をすることができます。

(5) 被害の心情などの意見陳述権  (刑事訴訟法292条の2)

被害者参加人、及び、その他の「被害者等」は、被害に関する心情などの意見陳述をすることができる。

陳述できる主体は被害者参加人に限れず「被害者等」であれば陳述できますが、陳述できる事柄は、被害に関する心情などに限られ、事実に関することは陳述できません。

(6) 論告・求刑の意見を述べる権利(刑事訴訟法316条の38)

被害者参加人は、弁論として論告や求刑などに関して意見陳述をすることができます。

2 その他の制度

(1) 被害者参加弁護士の選任(犯罪被害者保護法11条~18条)

被害者参加人になることができる人で、自分を支援してくれる弁護士を選任したいけれども資力がない場合に、国の費用で被害者参加弁護士を選任することができます。

(2) 刑事記録の閲覧謄写請求権

① 公判前における刑事記録の開示請求 - 検察官に対する請求

刑事記録は、第一回公判期日前は公開されないのが原則です(刑事訴訟法47条)。

ただし、被害者参加制度を利用している場合、被害者参加人は、検察官に対して、刑事記録の閲覧を請求できる運用になっています(平成20年9月5日付「被害者参加制度の下での犯罪被害者等に対する証拠の開示に関する依命通達」)。

② 公判記録の閲覧謄写請求権(犯罪被害者保護法3条) - 刑事裁判所に対する請求

犯罪の被害者は、自分が被害者である刑事裁判において、第一回の公判期日のときから裁判が終結するまでの間、閲覧謄写を求める理由が正当でないときや、犯罪の性質や心理の状況その他の情状を考慮して閲覧謄写を認めるのが相当でないときを除いて、刑事裁判の記録を閲覧したり謄写したりすることができます。

③ 不起訴記録の開示 - 検察官に対する請求

刑事事件としての捜査が終結し、不起訴処分となった事件の刑事記録も、一定の限度での開示請求が可能です。

詳しくは、法務省のホームページをご覧ください → http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji23.html

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すぎしま法律事務所 弁護士 杉島健二(岐阜県弁護士会所属)

当事務所は、交通事故の被害者側の損害賠償請求を最重点業務としています。これまで、多くの死亡事故や後遺症のある事故を解決してきました。担当してきた後遺症は、高次脳機能障害、遷延性意識障害(いわゆる「植物状態」)、CRPS、大動脈解離、脊柱や各関節の変形障害・運動障害、むち打ちなどの神経症状など、多種多様です。弁護士費用特約が使えます。

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