1 監理団体の意義
監理団体とは、技能実習制度で定められた監理事業を行う非営利団体の組織をいいます。
つまり、監理団体は、技能実習法に基づいて、海外からの技能実習生を受け入れるサポートをしたり、技能実習生や受入機関に対する助言、支援を行ったり、技能実習が技能実習計画に基づいて行われているかを確認する監査をする機関です。
2 監理団体が行う事業の種類
監理団体が行う事業には、次の2種類があります。
(1) 特定監理事業(技能実習法23条1項条2号)
技能実習1号と技能実習2号に対する監理事業です。
(2) 一般監理事業(技能実習法23条1項1号)
監理事業のうち、特定監理事業以外の監理事業をいいます。具体的には、技能実習3号についての監理事業です。
監理団体が一般管理事業の許可を受けており、かつ、実習実施者が有料件に適合している場合(技能実習法9条10号、技能実習法規則15条)に限り、第3号団体管理型技能実習が可能です。
3 許可制と欠格事由
監理団体が管理事業を行うためには、主務大臣の許可を受けなければならない、とされています(技能実習法23条)。
また、欠格事由に該当する者は、監理団体としての許可を受けることができない、とされています(技能実習法26条)。
4 監理団体の業務
監理団体の主な業務は、大まかに述べると、以下の通りとなります。
① 海外の送出機関と協力して、技能実習生を国内に受け入れます。
② 技能実習生に対して入国後講習を実施します。
③ 実習実施機関に対して技能実習計画の作成指導をします。
④ 技能実習生に対する保護、支援を行います。
⑤ 実習実施者に対して監査や訪問指導を行います。
5 改善命令と監理許可の取消
(1) 改善命令
主務大臣は、監理団体が、この法律その他出入国若しくは労働に関する法律又はこれらに基づく命令の規定に違反した場合において、監理事業の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、当該監理団体に対し、期限を定めて、その監理事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる、とされています(技能実習法36条1項)。
この業務改善命令に従わないときは、監理団体の許可の取消事由となっています(技能実習法37条1項4号)。
(2) 監理許可の取消
監理団体が、以下の事由が、監理団体の許可の取消事由とされています(技能実習法37条1項各号)。
① 第25条第1項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるとき。
② 第26条各号(第2号、第3号並びに第5号ハ及びニを除く。)のいずれかに該当することとなったとき。
③ 第30条第1項の規定により付された監理許可の条件に違反したとき。
④ この法律の規定若しくは出入国若しくは労働に関する法律の規定であって政令で定めるもの又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
⑤ 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
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関連する法律などの条文
技能実習法
第二十三条 監理事業を行おうとする者は、次に掲げる事業の区分に従い、主務大臣の許可を受けなければならない。 一 一般監理事業(監理事業のうち次号に掲げるもの以外のものをいう。以下同じ 。) 二 特定監理事業(第一号団体監理型技能実習又は第二号団体監理型技能実習のみを行わせる団体監理型実習実施者について実習監理を行う事業をいう。以下同じ。) 2 前項の許可を受けようとする者(第七項、次条及び第二十五条において「申請者」という。)は、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を主務大臣に提出しなければならない。 一 名称及び住所並びに代表者の氏名 二 役員の氏名及び住所 三 監理事業を行う事業所の名称及び所在地 四 一般監理事業又は特定監理事業の別 五 第四十条第一項の規定により選任する監理責任者の氏名及び住所 六 外国の送出機関(団体監理型技能実習生になろうとする者からの団体監理型技能実習に係る求職の申込みを適切に本邦の監理団体に取り次ぐことができる者として主務省令で定める要件に適合するものをいう。第二十五条第一項第六号において同じ。)より団体監理型技能実習生になろうとする者からの団体監理型技能実習に係る求職の申込みの取次ぎを受けようとする場合にあっては、その氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 七 その他主務省令で定める事項 3 前項の申請書には、監理事業を行う事業所ごとの監理事業に係る事業計画書、第二十五条第一項各号に掲げる事項を証する書面その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。 4 前項の事業計画書には、主務省令で定めるところにより、監理事業を行う事業所ごとの実習監理を行う団体監理型実習実施者の見込数、当該団体監理型実習実施者における団体監理型技能実習生の見込数その他監理事業に関する事項を記載しなければならない。 5 主務大臣は、第一項の許可の申請を受けたときは、第二項の申請書及び第三項の書類に係る事実関係につき調査を行うものとする。 6 厚生労働大臣は、第一項の許可をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。 7 申請者は、実費を勘案して主務省令で定める額の手数料を納付しなければならない。 第二十五条 主務大臣は、第二十三条第一項の許可の申請があった場合において、その申請者が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときでなければ、その許可をしてはならない。 一 本邦の営利を目的としない法人であって主務省令で定めるものであること。 二 監理事業を第三十九条第三項の主務省令で定める基準に従って適正に行うに足りる能力を有するものであること。 三 監理事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有するものであること。 四 個人情報(個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。第四十条第一項第四号及び第四十三条において同じ。)を適正に管理し、並びに団体監理型実習実施者等及び団体監理型技能実習生等の秘密を守るために必要な措置を講じていること。 五 監理事業を適切に運営するための次のいずれかの措置を講じていること。 イ 役員が団体監理型実習実施者と主務省令で定める密接な関係を有する者のみにより構成されていないことその他役員の構成が監理事業の適切な運営の確保に支障を及ぼすおそれがないものとすること。 ロ 監事その他法人の業務を監査する者による監査のほか、団体監理型実習実施者と主務省令で定める密接な関係を有しない者であって主務省令で定める要件に適合するものに、主務省令で定めるところにより、役員の監理事業に係る職務の執行の監査を行わせるものとすること。 六 外国の送出機関から団体監理型技能実習生になろうとする者からの団体監理型技能実習に係る求職の申込みの取次ぎを受けようとする場合にあっては、外国の送出機関との間で当該取次ぎに係る契約を締結していること。 七 第二十三条第一項の許可の申請が一般監理事業に係るものである場合は、申請者が団体監理型技能実習の実施状況の監査その他の業務を遂行する能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める基準に適合していること。 八 前各号に定めるもののほか、申請者が、監理事業を適正に遂行することができる能力を有するものであること。 主務大臣は、第二十三条第一項の許可をしないときは、遅滞なく、理由を示してその旨を申請者に通知しなければならない。 3 主務大臣は、前条第一項の規定により機構に調査の全部又は一部を行わせるときは、前項の通知を機構を経由して行わなければならない。 第二十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、第二十三条第一項の許可を受けることができない。 一 第十条第二号、第四号又は第十三号に該当する者 二 第三十七条第一項の規定により監理許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者 三 第三十七条第一項の規定による監理許可の取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に、第三十四条第一項の規定による監理事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの 四 第二十三条第一項の許可の申請の日前五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者 五 役員のうちに次のいずれかに該当する者があるもの イ 第十条第一号、第三号、第五号、第六号、第十号又は第十一号に該当する者 ロ 第一号(第十条第十三号に係る部分を除く。)又は前号に該当する者 ハ 第三十七条第一項の規定により監理許可を取り消された場合(同項第二号の規定により監理許可を取り消された場合については、第一号(第十条第十三号に係る部分を除く。)に該当する者となったことによる場合に限る。)において、当該取消しの処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該処分を受けた者の役員であった者で、当該取消しの日から起算して五年を経過しないものニ 第三号に規定する期間内に第三十四条第一項の規定による監理事業の廃止の届出をした場合において、同号の通知の日前六十日以内に当該届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)の役員であった者で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの 六 暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者 第三十六条 主務大臣は、監理団体が、この法律その他出入国若しくは労働に関する法律又はこれらに基づく命令の規定に違反した場合において、監理事業の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、当該監理団体に対し、期限を定めて、その監理事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 2 主務大臣は、前項の規定による命令をした場合には、その旨を公示しなければならない。(許可の取消し等) 第三十七条 主務大臣は、監理団体が次の各号のいずれかに該当するときは、監理許可を取り消すことができる。 一 第二十五条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるとき。 二 第二十六条各号(第二号、第三号並びに第五号ハ及びニを除く。)のいずれかに該当することとなったとき。 三 第三十条第一項の規定により付された監理許可の条件に違反したとき。 四 この法律の規定若しくは出入国若しくは労働に関する法律の規定であって政令で定めるもの又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。 五 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。 2 主務大臣は、監理許可(一般監理事業に係るものに限る。)を受けた監理団体が第二十五条第一項第七号の主務省令で定める基準に適合しなくなったと認めるときは、職権で、当該監理許可を特定監理事業に係るものに変更することができる。 3 主務大臣は、監理団体が第一項第一号又は第三号から第五号までのいずれかに該当するときは、期間を定めて当該監理事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。 4 主務大臣は、第一項の規定による監理許可の取消し、第二項の規定による監理許可の変更又は前項の規定による命令をした場合には、その旨を公示しなければならない。