技能実習制度など

技能実習を行わせる体制に関する基準

 技能実習法9条6号は、技能実習計画の認定基準の一つとして、技能実習を行わせる体制が、主務省令で定める基準に適合することを求めています。そして、技能実習法施行規則12条は、その基準を具体化しています。

 以下に見ていきます。

1 技能実習責任者(技能実習法施行規則12条1号)

 技能実習責任者が、自己以外の技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督し、技能実習の進捗状況を管理するほか、次に掲げる事項を統括管理することとされていることが、必要とされます。
  ① 技能実習計画の作成に関すること。
  ② 法第9条第5号(法第11条第2項において準用する場合を含む。)に規定する技能実習生が修得等をした技能等の評価に関すること。
  ③ 法又はこれに基づく命令の規定による法務大臣及び厚生労働大臣若しくは出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣又は機構(団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、法務大臣及び厚生労働大臣若しくは出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣若しくは機構又は監理団体)に対する届出、報告、通知その他の手続に関すること。
  ④ 法第20条に規定する帳簿書類の作成及び保管並びに法第21条に規定する報告書の作成に関すること。
  ⑤ 技能実習生の受入れの準備に関すること。
  ⑥ 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、監理団体との連絡調整に関すること。 
  ⑦ 技能実習生の保護に関すること。
  ⑧ 技能実習生の労働条件、産業安全及び労働衛生に関すること。
  ⑨ 国及び地方公共団体の機関であって技能実習に関する事務を所掌するもの、機構その他関係機関との連絡調整に関すること。

2 技能実習指導員(技能実習施行法規則12条2号)

 技能実習の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者であって、修得等をさせようとする技能等について5年以上の経験を有し、かつ、次のいずれにも該当しないものの中から技能実習指導員を1名以上選任していることが、必要とされます。
  ① 法第10条第1号から第8号まで又は第10号のいずれかに該当する者
  ② 過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
  ③ 未成年者

3 生活指導員(技能実習法施行規則12条3号)

 技能実習生の生活の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者であって、技能実習法施行規則12条2号のイからハまでのいずれにも該当しないものの中から生活指導員を1名以上選任していることが、必要とされます。

4 入国後講習を実施する施設の確保(技能実習法施行規則12条4号)

 第1号企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、第1号団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては監理団体が、入国後講習を実施する施設を確保していること、が必要とされます。

5 労働者災害補償保険に係る保険関係の成立の届出等(技能実習法施行規則12条5号)

 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては申請者又は監理団体が、申請者の事業に関する労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)による労働者災害補償保険に係る保険関係の成立の届出その他これに類する措置を講じていること、が必要とされます。

6 帰国旅費等の負担(技能実習法施行規則12条6号)

 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては監理団体が、第10条第2項第3号トに規定する一時帰国に要する旅費(同号ト(1)に規定するものについては、第2号技能実習生が第2号技能実習を行っている間に法第8条第1項の認定の申請がされた場合に限る。第52条第9号において同じ。)及び技能実習の終了後の帰国に要する旅費を負担するとともに、技能実習の終了後の帰国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること、が必要とされます。

7 外国の送出機関からの取次(技能実習法施行規則12条7号)

 団体監理型技能実習において、監理団体が団体監理型技能実習の申込みの取次ぎを受ける場合にあっては、外国の送出機関からの取次ぎであること、が必要とされます。

8 人権を著しく侵害する行為を行っていないこと(技能実習法施行規則12条8号)

 申請者又はその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。次号において同じ。)若しくは職員が、過去5年以内に技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行っていないこと、が必要とされます。

9 偽造文書などの講師・提供を行っていないこと(技能実習法施行規則12条9号)

 申請者又はその役員若しくは職員が、過去5年以内に、不正に法第8条第1項若しくは第11条第1項の認定を受ける目的、監理事業を行おうとする者に不正に法第23条第1項若しくは第32条第1項の許可若しくは法第31条第2項の更新を受けさせる目的、出入国若しくは労働に関する法令の規定に違反する事実を隠蔽する目的又はその事業活動に関し外国人に不正に入管法第3章第1節若しくは第2節の規定による証明書の交付、上陸許可の証印若しくは許可、同章第4節の規定による上陸の許可若しくは入管法第4章第1節若しくは第2節若しくは第5章第3節の規定による許可を受けさせる目的で、偽造若しくは変造された文書若しくは図画又は虚偽の文書若しくは図画を行使し、又は提供する行為を行っていないこと、が必要とされます。

10 認定取消事由該当時の報告(技能実習法施行規則12条10号)

 法第16条第1項各号のいずれかの事由(認定取消事由)に該当するに至ったときは、直ちに、企業単独型実習実施者にあっては機構に、団体監理型実習実施者にあっては監理団体に、当該事実を報告することとされていること、が必要とされます。

11  技能実習計画と反する内容の取り決めをしていないこと(技能実習法施行規則12条11号)

 申請者又は監理団体において、技能実習生との間で、技能実習計画と反する内容の取決めをしていないこと、が必要とされます。

12 改善命令に対する改善措置(技能実習法施行規則12条12号)

 団体監理型技能実習に係るものであり、監理団体が法第36条第1項の規定による改善命令を受けたことがある場合にあっては、当該監理団体が改善に必要な措置をとっていること、が必要とされます。

13 技能実習生の湯区へ不明者を発生させていないこと(技能実習法施行規則12条12号の2)

 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては申請者及び監理団体が、過去1年以内に、申請者又は監理団体の責めに帰すべき事由により技能実習生の行方不明者を発生させていないこと、が必要とされます。

14 技能実習を継続して行わせる体制の整備(技能実習法施行規則12条13号)

 技能実習生に対する指導体制その他の技能実習を継続して行わせる体制が適切に整備されていること、が必要とされます。

15 その他(技能実習法施行規則12条12号14号)

 技能実習法施行規則12条1号から13条までに掲げるもののほか、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び作業に係るものにあっては、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣が、法務大臣及び厚生労働大臣と協議の上、当該職種及び作業に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること、が必要とされます。

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関連する法律などの基準

技能実習法施行規則

第十二条 法第九条第六号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)の主務省令で定める基準のうち技能実習を行わせる体制に係るものは、次のとおりとする。

 技能実習責任者が、自己以外の技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督し、技能実習の進捗状況を管理するほか、次に掲げる事項を統括管理することとされていること。

 技能実習計画の作成に関すること。

 法第九条第五号(法第十一条第二項において準用する場合を含む。)に規定する技能実習生が修得等をした技能等の評価に関すること。

 法又はこれに基づく命令の規定による法務大臣及び厚生労働大臣若しくは出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣又は機構(団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、法務大臣及び厚生労働大臣若しくは出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣若しくは機構又は監理団体)に対する届出、報告、通知その他の手続に関すること。

 法第二十条に規定する帳簿書類の作成及び保管並びに法第二十一条に規定する報告書の作成に関すること。

 技能実習生の受入れの準備に関すること。

 団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては、監理団体との連絡調整に関すること。

 技能実習生の保護に関すること。

 技能実習生の労働条件、産業安全及び労働衛生に関すること。

 国及び地方公共団体の機関であって技能実習に関する事務を所掌するもの、機構その他関係機関との連絡調整に関すること。 技能実習の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者であって、修得等をさせようとする技能等について五年以上の経験を有し、かつ、次のいずれにも該当しないものの中から技能実習指導員を一名以上選任していること。

 法第十条第一号から第八号まで又は第十号のいずれかに該当する者

 過去五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者

 未成年者 技能実習生の生活の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者であって、前号イからハまでのいずれにも該当しないものの中から生活指導員を一名以上選任していること。 第一号企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、第一号団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては監理団体が、入国後講習を実施する施設を確保していること。

 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては申請者又は監理団体が、申請者の事業に関する労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)による労働者災害補償保険に係る保険関係の成立の届出その他これに類する措置を講じていること。

 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては監理団体が、第十条第二項第三号トに規定する一時帰国に要する旅費(同号ト(1)に規定するものについては、第二号技能実習生が第二号技能実習を行っている間に法第八条第一項の認定の申請がされた場合に限る。第五十二条第九号において同じ。)及び技能実習の終了後の帰国に要する旅費を負担するとともに、技能実習の終了後の帰国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること。

 団体監理型技能実習において、監理団体が団体監理型技能実習の申込みの取次ぎを受ける場合にあっては、外国の送出機関からの取次ぎであること。

 申請者又はその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。次号において同じ。)若しくは職員が、過去五年以内に技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行っていないこと。

 申請者又はその役員若しくは職員が、過去五年以内に、不正に法第八条第一項若しくは第十一条第一項の認定を受ける目的、監理事業を行おうとする者に不正に法第二十三条第一項若しくは第三十二条第一項の許可若しくは法第三十一条第二項の更新を受けさせる目的、出入国若しくは労働に関する法令の規定に違反する事実を隠蔽する目的又はその事業活動に関し外国人に不正に入管法第三章第一節若しくは第二節の規定による証明書の交付、上陸許可の証印若しくは許可、同章第四節の規定による上陸の許可若しくは入管法第四章第一節若しくは第二節若しくは第五章第三節の規定による許可を受けさせる目的で、偽造若しくは変造された文書若しくは図画又は虚偽の文書若しくは図画を行使し、又は提供する行為を行っていないこと。

 法第十六条第一項各号のいずれかに該当するに至ったときは、直ちに、企業単独型実習実施者にあっては機構に、団体監理型実習実施者にあっては監理団体に、当該事実を報告することとされていること。

十一 申請者又は監理団体において、技能実習生との間で、技能実習計画と反する内容の取決めをしていないこと。

十二 団体監理型技能実習に係るものであり、監理団体が法第三十六条第一項の規定による改善命令を受けたことがある場合にあっては、当該監理団体が改善に必要な措置をとっていること。

十二の二 企業単独型技能実習に係るものである場合にあっては申請者が、団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては申請者及び監理団体が、過去一年以内に、申請者又は監理団体の責めに帰すべき事由により技能実習生の行方不明者を発生させていないこと。

十三 技能実習生に対する指導体制その他の技能実習を継続して行わせる体制が適切に整備されていること。

十四 前各号に掲げるもののほか、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び作業に係るものにあっては、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣が、法務大臣及び厚生労働大臣と協議の上、当該職種及び作業に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。

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