交通事故のブログ

大切なご家族が、交通事故により亡くなられてしまわれた場合の諸手続き

ご家族が、交通事故でお亡くなりになられてしまわれた場合、損害賠償請求のほか、いろいろな諸手続きが必要です。

今回は、損害賠償請求以外の諸手続きについて、簡単ではありますが、ご説明させていただきます。

1 死亡後の諸手続き


1 死亡診断書などの受け取り
 ご家族が亡くなられたとき、まずしなければならないのは「死亡診断書」または「死体検案書」の受け取りです。 

 死亡診断書または死体検案書は、亡くなられた医療機関の医師や、死亡を確認してくれた医師に発行してもらいます。

2 死亡届の提出
 つぎに、「死亡届」を市町村役場に提出します。死亡届の用紙は、死亡診断書などと一体となっています。死亡届の提出期限は、亡くなったことを知ってから7日以内です。

3 埋火葬許可申請書の提出と埋火葬許可証の受け取り
 ご遺体を火葬埋葬するには、市町村長の許可が必要です。そこで、市町村長に埋火葬許可申請書を提出し、埋火葬許可証を受けとります。

 埋火葬許可申請書は、通常、死亡届と同時に提出します。

4 戸籍謄本の受け取り
 交通事故でご家族の方が亡くなられると、「相続」が発生します。

 相続問題をしよりしたり、生命保険金を受け取るためには、亡くなられたご家族の方の相続人が具体的に誰なのかを確定する必要があり、この点を明らかにするのが、亡くなられた方の出生から死亡までの連続した戸籍です。これらの戸籍により、亡くなられた方に配偶者や何人の子らがいるかが分かるのです。

5 その他
 健康保険証や介護保険被保険者証の返却や年金受給停止手続き、亡くなられた方が国民健康保険の加入者であれば葬祭費などの請求などといって手続きをする必要があります。

2 相続問題の処理

交通事故でご家族の方が亡くなられると「相続」が発生します。

相続とは、亡くなられた方の生前の権利義務関係を亡くなられた方との間に一定の身分関係のある者(相続人)に承継させる制度です。

相続人は、配偶者がいれば配偶者は常に相続人となります。子がいれば子も相続人となり、子がいなければ直系尊属が相続人となり、子も直系尊属もいなければ兄弟姉妹が相続人となります。

相続人が複数いる場合で、遺言書がない場合などは、法定相続分に従って分割して相続されます。

また、遺産分割の手続きをすることも必要です。

相続した財産に不動産登記や自動車、預貯金などがある場合は、その名義変更の手続きをすることが必要です。

注意が必要なのは、相続の対象となる権利義務関係は、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産、例えば、借金や保証債務も含まれるということです。

ですから、相続の対象となる財産のうち、交通事故の損害賠償請求権の額よりも、借金や保証債務などの額が多い場合は、相続放棄や限定承認の手続きをとって、借金や保証債務を相続しないような手段をとる必要があります。

当事務所では、死亡事故を受任した場合、たんに損害賠償請求の手続きをするだけではなく、相続問題など、亡くなられた方の法律問題全般についてサポートしています。

3 加害者の刑事裁判への対応

交通事故で被害者が死亡した場合、被害者の過失が著しく大きい倍を除いて、加害者は検察官により起訴され、正式な刑事裁判が粉われます。

1 被害者参加制度

交通事故の被害者が、積極的に刑事裁判に関与できる制度の代表的なものとしては、いわゆる被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33~39)が挙げられます。

すなわち、被害者参加制度とは,殺人、傷害、過失運転致死傷罪等の一定の刑事事件の被害者等が、裁判所の許可を得て,被害者参加人として刑事裁判に参加するという制度です。

具体的には、次の権利が付与されています。

(1) 公判期日への出席件(刑事訴訟法316条の34)

被害者参加人として、公判期日に出席し、法廷の中に入ることができます。

(2)  検察官に対して意見を述べる権利 (刑事訴訟法316条の35)

被害者参加人は、検察官の権限行使、具体的には、検察官の訴因変更請求や証拠調べ請求、上訴権の行使などに関して意見を述べることができます。

(3)  証人尋問権(刑事訴訟法316条の36)

被害者参加人は、証人を尋問することができます。但し、尋問できる事項は、情状に関する事項に限られ、犯罪事実に関するものは尋問できません。

(4) 被告人質問権(刑事訴訟法316条の37)

被害者参加人は、被告人に対して質問をすることができます。

(5) 被害の心情などの意見陳述権  (刑事訴訟法292条の2)

被害者参加人、及び、その他の「被害者等」は、被害に関する心情などの意見陳述をすることができます。

陳述できる主体は被害者参加人に限れず「被害者等」であれば陳述できますが、陳述できる事柄は、被害に関する心情などに限られ、事実に関することは陳述できません。

(6) 論告・求刑の意見を述べる権利(刑事訴訟法316条の38)

被害者参加人は、弁論として論告や求刑などに関して意見陳述をすることができます。

2 その他の制度
(1) 被害者参加弁護士の選任(犯罪被害者保護法11条~18条)

被害者参加人になることができる人で、自分を支援してくれる弁護士を選任したいけれども資力がない場合に、国の費用で被害者参加弁護士を選任することができます。

(2) 刑事記録の閲覧謄写請求権

① 公判前における刑事記録の開示請求 - 検察官に対する請求

刑事記録は、第一回公判期日前は公開されないのが原則です(刑事訴訟法47条)。

ただし、被害者参加制度を利用している場合、被害者参加人は、検察官に対して、刑事記録の閲覧を請求できる運用になっています(平成20年9月5日付「被害者参加制度の下での犯罪被害者等に対する証拠の開示に関する依命通達」)。

② 公判記録の閲覧謄写請求権(犯罪被害者保護法3条) - 刑事裁判所に対する請求

犯罪の被害者は、自分が被害者である刑事裁判において、第一回の公判期日のときから裁判が終結するまでの間、閲覧謄写を求める理由が正当でないときや、犯罪の性質や心理の状況その他の情状を考慮して閲覧謄写を認めるのが相当でないときを除いて、刑事裁判の記録を閲覧したり謄写したりすることができます。

③ 不起訴記録の開示 - 検察官に対する請求

刑事事件としての捜査が終結し、不起訴処分となった事件の刑事記録も、一定の限度での開示請求が可能です。

詳しくは、法務省のホームページをご覧ください → こちら

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