医療法人の法的基礎知識

社団医療法人の理事会

1 社団医療法人の理事会の意義

 社団医療法人の理事会は、社団医療法人の業務執行の意思決定機関で、すべての理事を構成員とします(医療法46条の6の7第1項、第2項)。

2 理事会の招集

 理事会は、各理事が招集するのを原則とし、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その理事が招集する、とされています(医療法46条の7の2が準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律93条)。

3 社団医療法人の理事会の権限

 社団医療法人の理事会は、①社団医療法人の業務執行の決定、②理事の職務の執行の監督、③理事長の選出及び解職に関する権限を有します(医療法46条の7第2項)。

 また、次の事項は、理事会自身で決定しなければならず、理事に委任することはできません(医療法46条の7第3項)。

  重要な資産の処分及び譲受け

 ② 多額の借財

 ③ 重要な役割を担う職員の選任及び解任

 ④ 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止

 ⑤ 社団医療法人は、第四十七条の二第一項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第四十七条第一項の責任の免除

 ⑥ なお、財団たる医療法人にあつては、第四十七条の二第一項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十四条第一項の規定による寄附行為の定めに基づく第四十七条第四項において準用する同条第一項の責任の免除

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関係する法律の条文

医療法

第四十六条の七 理事会は、全ての理事で組織する。

 理事会は、次に掲げる職務を行う。

 医療法人の業務執行の決定

 理事の職務の執行の監督

 理事長の選出及び解職

 理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。

 重要な資産の処分及び譲受け

 多額の借財

 重要な役割を担う職員の選任及び解任

 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止

 社団たる医療法人にあつては、第四十七条の二第一項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第四十七条第一項の責任の免除

 財団たる医療法人にあつては、第四十七条の二第一項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十四条第一項の規定による寄附行為の定めに基づく第四十七条第四項において準用する同条第一項の責任の免除

第四十六条の七の二 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第九十一条から第九十八条まで(第九十一条第一項各号及び第九十二条第一項を除く。)の規定は、社団たる医療法人及び財団たる医療法人の理事会について準用する。この場合において、当該理事会について準用する同法第九十一条第一項中「次に掲げる理事」とあり、及び同条第二項中「前項各号に掲げる理事」とあるのは「理事長」と、同法第九十五条第三項及び第四項並びに第九十七条第二項第二号中「法務省令」とあるのは「厚生労働省令」と読み替えるものとし、財団たる医療法人の理事会について準用する同法第九十一条第二項、第九十三条第一項、第九十四条第一項、第九十五条第一項及び第三項並びに第九十六条中「定款」とあるのは「寄附行為」と、同法第九十七条第二項中「社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て」とあるのは「評議員は、財団たる医療法人の業務時間内は、いつでも」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 前項において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第九十七条第二項及び第三項の許可については、同法第二百八十七条第一項、第二百八十八条、第二百八十九条(第一号に係る部分に限る。)、第二百九十条本文、第二百九十一条(第二号に係る部分に限る。)、第二百九十二条本文、第二百九十四条及び第二百九十五条の規定を準用する。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律

第九十一条 次に掲げる理事は、理事会設置一般社団法人の業務を執行する。

 代表理事

 代表理事以外の理事であって、理事会の決議によって理事会設置一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの

 前項各号に掲げる理事は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。

第九十二条 理事会設置一般社団法人における第八十四条の規定の適用については、同条第一項中「社員総会」とあるのは、「理事会」とする。

 理事会設置一般社団法人においては、第八十四条第一項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。

第九十三条 理事会は、各理事が招集する。ただし、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その理事が招集する。

 前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた理事(以下この項及び第百一条第二項において「招集権者」という。)以外の理事は、招集権者に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。

 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。

第九十四条 理事会を招集する者は、理事会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発しなければならない。

 前項の規定にかかわらず、理事会は、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。

第九十五条 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。

 前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。

 理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。

 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。

 理事会の決議に参加した理事であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。

第九十六条 理事会設置一般社団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。

第九十七条 理事会設置一般社団法人は、理事会の日(前条の規定により理事会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第九十五条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。

 社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。

 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

 債権者は、理事又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について前項各号に掲げる請求をすることができる。

 裁判所は、前二項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該理事会設置一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、前二項の許可をすることができない。

第九十八条 理事、監事又は会計監査人が理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を理事会へ報告することを要しない。

 前項の規定は、第九十一条第二項の規定による報告については、適用しない。

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